先日、学校の先生をしている友人からこんな質問を受けました。
「ChatGPTで書かれた文章を見抜くソフトって、実際あるの?」
この質問、意外と多くの人が気になっているのではないでしょうか。
ChatGPTをはじめとするAIの進化は目覚ましく、その文章生成能力は日々向上しています。
しかし、読書感想文や課題レポートがすべてAIによって書かれてしまったら、
その本来の教育的意義が失われてしまいますよね。
そこで今回、ChatGPTを見分けるソフトや、AIで書かれた文章を判別するツールについて徹底的に調査してみました。
過去に試したことのあるツールも含め、最新の情報を集めています。
これからの時代AIを上手く活用することは大切なことです。
しかし同時に、人間らしい思考や表現を大切にすることも忘れてはいけません。
この記事では、ChatGPTで生成された文章を見抜く方法や、有効なAI判別ツールについて詳しく解説していきます。
AIと人間の文章、あなたは見分けられますか?
ChatGPTを見抜くソフトと共に、その秘訣を探っていきましょう。
記事のポイント
・ChatGPTで書かれている文章か見抜く方法
・AIで書かれた文章の特徴
・ChatGPTを見抜くソフト(AI判別ツール)の種類
・AI判別ツールの使い方と注意点
ChatGPTを見抜くソフトはある?AIで書かれた文章の特徴
- ChatGPTで作った文章はバレる?
- ChatGPTなどのAIで書かれた文章の特徴
- ChatGPTとそれ以外のAIで書かれた文章の違い
ChatGPTで作った文章はバレる?
結論からお伝えすると、ChatGPTで作った文章はバレる確率は高いです。
それはAIの文章かどうかを見抜くソフト、いわゆる判定ツールの存在が大きいです。
私が前に調べた時よりも、判定ツールの精度が上がってきている気がしました。
ただ、これもプロンプト次第では出力がかなり変わってくるので、あくまで単純なプロンプトで出力された文章の場合となります。
今回様々なツールで試した結果ですが、ChatGPTが一番AIだと判定されやすい可能性があるということがわかりました。
個人的にはClaudeが一番自然な日本語を出力してくれる印象がありますが、実際はAI判定ツールによって結果が違いました。
各判定ツールで調べた結果は後編で解説いたします。
ChatGPTの開発元であるOpen AI社が提供していた【AI Text Classifier】は精度が落ちたという理由から現在使用できないようです。
それほどAIで生成された文章が高度化しているという証拠なのでしょう。
ChatGPTなどAIで書かれた文章の特徴
ChatGPTなどの文章生成AIは本当に自然な会話が出てくるので、たまに人間と会話している気分になりますよね。
でも所々人間が使わないような表現をしてきたりするので、「やっぱりAIだな」と現実に戻ったりします。
そこでAIで書かれた文章の主な特徴を3つのポイントでまとめてみました。
1:特定の言葉やフレーズの繰り返し
2:不自然な文脈、不自然な表現
3:人間のような感情表現や個人的な体験などの描写が苦手
これらに加えてハルシネーションと呼ばれる不正確な情報を生成してしまうことが多々あります。
特に数字についての間違いが多くみられます。
短い文章であればAIと人間が書いた文章の見分けがなかなか難しいですが、長文になればなるほどAI感が出てきます。
このようにAIが生成する文章も特徴を理解しておくことでAIかどうか見分けるソフトを使わなくてもわかることもあります。
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ChatGPTとそれ以外のAIで書かれた文章の違い
AIの中でも様々な文章生成ツールがあります。
これらの違いについて考えてみましょう。
文章生成AIの種類
ChatGPT
・OpenAIが開発した高度な自然言語処理モデルで、幅広いトピックに対応する文章生成AI
Gemini (旧Google Bard)
・Googleが開発し、詩やエッセイなど多様な文章をカスタマイズして生成できるAI
Microsoft Copilot
・Microsoftが提供するAIアシスタントで、Officeアプリと連携し文章や画像の生成に対応。
Claude
・Anthropicが開発したGPT-4に匹敵する高性能なAIで、自然な会話や多言語処理、コード生成に対応
Notion AI
・Notion内で使用できるAIツールで、翻訳や要約、テーマに基づく文章生成に特化
まず、文章生成で一番有名なAIのChatGPTは、まるで人間と会話しているかのような自然な文章を作り出せます。
様々な話題に対応し、会話の流れを理解して適切に返答できるのが特徴です。
一方、ClaudeやGeminiといった他のAIには、それぞれ得意分野があります。
Claudeは論理的でわかりやすい文章を書くのが上手で、倫理的な配慮をしつつ人間的な文章を生成します。
AIをよく使うユーザーは日本語の文章の生成ならChatGPTよりClaudeの方が良いという声をよく聞きます。
Geminiに関しては画像なども理解して文章を作れ、難しい問題の解決や説明が得意です。
これらのAIは日々進化しているため、できることも少しずつ変わっています。
どのAI使うかは、AIの得意分野によって使い分けて選ぶのがよいでしょう
ChatGPTを見抜くソフトの紹介と使い方を解説
- ChatGPTを見抜くソフト(AI判定ツール)を紹介
- ChatGPTの見抜くソフト(AI判定ツール)の使い方1:ユーザーローカル生成AIチェッカー
- ChatGPTの見抜くソフト(AI判定ツール)の使い方2:GPTZero
- GPTZeroの料金プランと注意点
ChatGPTを見抜くソフト(AI判定ツール)を紹介
ここではChatGPTなどのAIツールで生成された文章かどうかを見抜くソフト(判別ツール)を紹介します。
実際に自分でも試したみましたが、GPTZeroとユーザーローカル生成AIチェッカーが使いやすかったです。
この2つのツールに関しては後ほど使い方を解説します。
AI判定ツール
❶ GPTZero
- 主要なAIモデル(ChatGPT, GPT-4など)の生成テキストを判別
- 多層的なアプローチで精密にAIと人間のテキストを比較
- 学習管理システムやChrome拡張機能と統合可能
GPTZero公式サイト:https://gptzero.me/
❷ AI Content Detector(Writer社)
- 最大5,000語まで無料で検査可能
- APIとして提供されている
- 検出スコアをパーセンテージで表示
AI Content Detector公式サイト:https://writer.com/ai-content-detector/
❸ Copyleaks(AI Content Detector)
- AI生成テキストと人間が書いたコンテンツを区別
- 盗作検出機能があり、多言語に対応
- WebやChrome拡張機能で直接利用可能
Copyleaks公式サイト:https://copyleaks.com/ja/ai-content-detector
❹ ユーザーローカル生成AIチェッカー
- 日本語の論文やレポートがAI生成かを判定
- 株式会社ユーザーローカルが提供し、Web上で無料利用可能
- 判定結果をパーセンテージで表示
生成AIチェッカー公式サイト:https://ai-tool.userlocal.jp/ai_classifier
❺ AI Text Classifier
- OpenAIが提供するAI生成テキストの判別ツール
- 1000文字以上のテキストが必要で、パーセンテージではなくテキストで評価
- 使用にはOpenAIのアカウントが必要
Open AI社AI Text Classifier公式ページ:https://openai.com/index/new-ai-classifier-for-indicating-ai-written-text/
※現在はOpenAIのAI Text Classifierは利用できません。
他にも「undetectable AI」や「Smodin」など有名なツールがあります。
しかし、どのツールで検出してもその判断が正しいわけではないという前提の元、使うことが大切です。
次の章では実際に中学生が読書感想文で書きそうな内容をAIに生成させて調べてみた結果を紹介します。
読書感想文で選んだ本はミヒャエル・エンデ作「モモ」です。(名作ですね)
ChatGPTの判定ツールの使い方:ユーザーローカル生成AIチェッカー
今回は「中学生が読書感想文をChatGPTなどの文章生成AIを使って書いたら?」という設定です。
以下のプロンプトを使い、ChatGPT,Gemini,Claudeの3つのツールを使って文章を生成しました。
今回のプロンプトと生成された文字数
私は中学2年生です。ミヒャエル・エンデ作の「モモ」を読んだ感想文を2000文字程度でまとめてください。中学2年生の男子が書いたような自然な文章でお願いします。
- ChatGPTで生成された文章の文字数:約1,503文字
- Geminiで生成された文章の文字数:約1,269文字
- Claudeで生成された文章の文字数:約1,257文字
まずは一番シンプルで使いやすいユーザーローカル生成AIチェッカーで調べていきましょう。
まずはUserLocal生成AIチェッカーにアクセス
❶判定したいテキストを入力
❷テキストを入力したら【テキスト判定】をクリック
生成AIチェッカーの最大文字数は1万文字ですので、それ以上の文字数の場合は分けて入力してください。
また、入力した文字数が少ない場合は判定精度が下がるので最低でも500文字以上入力するようにしましょう。
それではChatGPT,Gemini,Claudeの3つのツールで生成した文章を貼り付けた結果は以下の通りです。
今回の文章で調べた結果、ChatGPT以外は「人によって書かれたテキストである可能性が高いです」と表示されました。
ただ、ChatGPTの文章もAIの可能性は25%と表示されているので、1500文字程度の文章だと判断が難しいようです。
他にも色々な文章をチェックしてみましたが、AIが生成した文章であっても、人間が書いた可能性が高いと判定される傾向にありました。
シンプルで使いやすいツールなので、これらの特性を理解した上で活用すると良いでしょう。
ChatGPTの判定ツールの使い方:GPTZero
次にGPTZeroの使い方を解説します。
こちらは月に1万文字まで無料で使うことが可能です。
アカウント作成せずに試すことも可能ですが、3つの文章を試したところ出力結果が同じだったのでやはりアカウント作成は必要みたいです。
ちなみにアカウント作成せずとりあえず試したいという方は、以下のように進めてみてください。
アカウント登録せずにGPTZeroを試した結果は以下の通りです。
詳しい結果が出力されているように見えますが、他の文章を入力しても同じ判定結果になりました。
もしかしたらアカウント登録せずに試す場合はデモ画面が表示されているのかもしれません。(あくまで私の予想です。)
GPTZeroはアカウント登録しないと使えないということがわかったところで次に進みましょう。
まずはGPTZeroトップページからアカウント登録していきましょう。
❶GPTZero公式サイトへアクセスして右上の【login】または【Get Started】をクリック
❷Google、またはメールアドレスでアカウント作成してログイン
❸新しいスキャン+をクリック(またはファイルをアップロードをクリック)
GPTZeroで対応しているファイルの形式→【.pdf】【.doc】【.docx】【.txt】
❹AI判定したいテキストを入力(またはファイルのアップロード)
❺右側の【スキャン】をクリック
スキャンが開始されてAI判定の結果がでます。
今回AI判定した結果は以下の通りです。
ちなみに言語モデルはChatGPTは「GPT-4o」Geminiは「1.5 Flash」Claude は「3.5 Sonnet」です。
今回の結果ではClaudeで生成した文章が一番「AIが生成した確率が低い」と判定されました。
生成AIチェッカーではGeminiとClaudeは同じ判定でしたが、GPTZeroでは差が出ましたね。
GPTZeroは無料プランでも、さらに詳しく調べることも出来ます。(ただし無料の場合、回数制限あり)
このように高度なスキャン(Advanced Scan)をすると、どの文章がAIの可能性が高いか表示されます。
回数制限はありますが、無料でこれだけ詳しくわかるのはとても良いですね。
他にも色々なChatGPTを見抜くソフトを試してみましたが、GPTZeroが一番使いやすくて判定結果も見やすいのでオススメです。
ChatGPTを見抜くソフト:GPTZeroの料金プランと注意点
AIの判定を頻繁に行う場合、GPTZeroの無料版ではすぐに回数制限がきてしまいます。
そのため他のツールとの使い分けやGPTZeroの有料版へに加入を検討すると良いでしょう。
GPTZeroの料金は以下の通りです。
※無料のプレミアムトライアルに関しては2024年10月現在の情報となります。
ChatGPTを見抜くソフトであるGPTZeroはとても使いやすいですが、注意点が2点あります。
1つ目は先ほど説明した通り、無料プランの場合は月間10.000語までしかスキャン出来ません。
そして高度なスキャンを行う場合も5回までとなっています。(高度なスキャンに関しては月でリセットされるかは不明)
もう一つの注意点は日本語は部分的にしかサポートしていないということです。
AI判定結果の画面に以下のような注意書きがありました。
判定したいテキストが日本語の場合は結果が不完全である可能性もあるので注意をしましょう。
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ChatGPTを見抜くソフトについてまとめ
以下、記事の内容をまとめます。
まとめ
- ChatGPTで作った文章はバレる確率が高い
- AIで書かれた文章には、特定の言葉の繰り返しや不自然な表現などの特徴がある
- AI判定ツールの精度は向上しているが、プロンプト次第で出力が変わる
- 主なAI判定ツールには、GPTZero、AI Content Detector、Copyleaks、ユーザーローカル生成AIチェッカーなどがある
- ユーザーローカル生成AIチェッカーは使いやすいが、AIの可能性を低く判定する傾向がある
- GPTZeroは無料版と有料版があり、詳細な分析が可能である
- GPTZeroの無料版には月間スキャン可能な単語数や高度なスキャンの回数に制限がある
- GPTZeroは日本語を部分的にしかサポートしていない
- AI判定ツールの結果は絶対的なものではなく、参考程度に使用するべきである
- AIを活用しつつ、人間らしさを残すことが重要である